京都のいちゃいちゃカップルへ、呪いをかけた話

私の趣味は街歩きです。それもこじんまりとした上品な街が好きです。端的には、京都がもっとも好きな街の一つになります。

 

それで、学生時代から今日まで、機会を見つけては京都を訪ねます。

 

私の彼女がいない歴は、30を過ぎるまで年齢と同じでした。京都を精力的に訪ねていたのもその頃です。若くてしかも恋人がいない旅先というのは、不思議とロマンティックな幻想を抱かせがちではないかと思います。

 

ロマンティックな幻想とは、つまり出会いですね。どこかで出会いを求めているものではないかと思います。少なくとも私はそうでした。

 

ところが現実にはそんな相手は現れない・・・・このシチュエーションで、いちゃいちゃしているカップルなんかを見かけようものなら、それは平常心ではいられません。悪いことに京都というのは、カップルで旅している人たちが必ずいる街です。

 

しかも、みんないい雰囲気を出しています。あるとき、南禅寺界隈を歩いていた時でした。南禅寺の境内を走る、有名な琵琶湖疎水のアーチ橋を見ての帰りではなかったかと思いますが、周辺の高級住宅街というかお屋敷街を抜けて、岡崎公園に向かう際、メインの道から少しそれてよく知らない一角に入り込んだことがありました。

 

そこも落ち着いた住宅街に思えたのですが、南禅寺から少し離れたエリアは、京都では割りと知られた●ブ●街になっているらしいのです。私はそこまで知らなかったので、打ち水とかがしてあり、清々しい通りだなと思いながら歩いていると、お屋敷というにはちょっと変わった造りの建物に、高級セダンが吸い込まれるように入り込んでいったり、あるいはカップルが歩いて玄関を潜ったりしているのでした。

 

何なのかなと思って看板を見ると、休憩料金○○○円とか出ていて、あっと思ったわけです。昼間からいけないんだいけないんだと思いながら、心の中で見ず知らずのカップルに対して、そんなことしてると必ず将来ひどい目に遭うよと呪いながら、店の前を通り過ぎた記憶があります。